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Visual View 基礎講座

アルコール依存症の基礎生物学

連載⑩ アディクションから「生き直す」ために

廣中直行

Frontiers in Alcoholism Vol.6 No.2, 6-9, 2018

2016年4月,熊本は2度の大きな地震に見舞われた。当時熊本に住んでいた筆者は水の不自由な生活を一週間続けた後,「どこか居酒屋があいてないか」と思う自分に気づいて愕然とした。常日ごろアルコール飲料との適度なつきあい方を心得ていると自負する筆者ではあったが,このときの飲酒欲求は平時とは異なり,明らかに酩酊への欲求だったからである。アルコール・アディクションへの道は至るところに入口をあけている。Jellinekによってアルコール・アディクションが疾病と認識されてすでに半世紀以上経つ。治療と回復支援の手法は着実に進歩した。しかし,進歩したからこそ,治療とは何か,回復とは何なのかをあらためて問い直すときがやってきたとも言えよう。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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