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特集 女性と乳腺疾患

4 乳房再建

山下理絵近藤謙司

WHITE Vol.6 No.1, 29-34, 2018

乳癌手術後は,乳房切除による喪失感,手術痕と陥凹部,日常生活の不都合,身体的なバランスの崩れなど精神的苦痛を感じている人が多い.そういった人の心身のQOL向上が期待される治療に乳房再建がある.
欧米では20~40%の再建率であるが,わが国では10%以下と再建に至る症例は非常に少ない.その原因は,再建時の麻酔や手術による身体的リスクおよび経済的負担を乳癌治療と同時には考えられない患者側の要因,そして,乳癌治療を行う乳腺外科医や外科医に乳房再建を推奨する医師が少なかったことが考えられる.しかし,2013年7月からインプラントによる再建が承認され,保険治療が可能になってからはわが国での再建も増えてきている.
本稿では,現在行われている乳房再建で,最も多い人工物である人工乳房(以下,インプラント)によるもの,そして最新治療である自己幹細胞加脂肪注入による再建に関して述べる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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