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糖尿病入門

糖尿病合併症抑制を目指して―J-DOIT3の結果から―

門脇孝

DIABETES UPDATE Vol.7 No.2, 24-29, 2018

2型糖尿病は,心筋梗塞や脳梗塞といった大血管症や,糖尿病性腎症などの細小血管症といった様々な血管合併症を引き起こすことから,我が国においても健康障害の重要な原因の1つとなっている。血糖コントロールの改善は細小血管症のリスクを低下させる1)-3)。しかしながら,その一方でそれのみでは大血管症のリスクを十分に低下させないことも知られている2)4)。血圧コントロールは細小血管症と大血管症を抑制し5)6),スタチンによるLDL-コレステロール(LDL-C)低下は大血管症を抑制する7)。日本糖尿病学会は,血糖・血圧・脂質に対する治療目標を提唱している8)。しかし,統合的な治療を行うことが,実際に合併症の減少につながるのかについては明らかになっていなかった。Steno-2は,2型糖尿病における血糖・血圧・脂質に対する多因子介入が,細小血管症・大血管症ならびに死亡を減らすことを初めて示した研究である9)10)。しかしながら,Steno-2では被験者数が少なく,また強化療法群においても平均HbA1cが,現行のガイドラインにおける目標値よりもかなり高い水準にとどまっていたという問題点があった8)-10)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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