微生物と感染症診療
麻疹・風疹
掲載誌
感染症道場
Vol.3 No.2 24-28,
2014
著者名
奥野英雄
/
多屋 馨子
記事体裁
抄録
疾患領域
小児疾患
/
感染症
診療科目
一般内科
/
産婦人科
/
小児科
媒体
感染症道場
「はじめに」現在, わが国で接種可能なワクチンは26種類ある. ワクチンで予防可能な疾患(vaccine preventable diseases:VPDs)のなかでも, 麻疹, 風疹は重要な疾患であり, ワクチンの2回接種による確実な予防が望まれる. 「麻疹」1. 麻疹について 麻疹は, 麻疹ウイルスに感染することにより発症する, 急性発熱性発疹性疾患である. 麻疹ウイルスは, Paramyxovirus科Morbillivirus属に属し, エンベロープを有する, マイナス一本鎖RNAウイルスであり, 遺伝子型はAからHに分類され, 23種類報告されている. 飛沫感染, 接触感染のほかに, 空気感染で感染伝播し, エアロゾル化した麻疹ウイルス粒子は, 1時間以上感染性を保ちつつ浮遊し, 吸引することで感染が成立するなど1), 感染力はその他のVPDと比較しても強い. 「2 麻疹の臨床症状」一般的に前駆期(カタル期), 発疹期, 回復期に分けられる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。