誌上ディベート
切除不能膵癌の一次化学療法として最も使いやすい化学療法とは
②mFOLFIRINOXを選択する立場から
膵・胆道癌FRONTIER Vol.7 No.1, 18-20, 2018
Modified FOLFIRINOX(mFFX)の投与方法を図1に示す。特徴は,初回治療からBolus 5-FUの割愛,CPT-11を150mgへ減量したことである。
FOLFIRINOX(FFX)原法は,海外第Ⅲ相試験においてGrade3/4の好中球減少45.3%,発熱性好中球減少症5.4%と非常に毒性の強いレジメンであった。原法と同様のレジメンで行われた国内第Ⅱ相試験においても,有害事象による減量が88.9%にみられ,特に5-FU bolusの相対投薬強度中央値は15.9%であった。また,初期の減量が多く,CPT-11は2コース以降33.3%の患者で150mg/㎡に減量され,6コース以降では16.7%で中止となった。国内試験ではGrade 3以上の好中球減少が77.8%,発熱性好中球減少症が22.2%にみられ,海外試験以上の毒性の強さが示されている。国内外のデータよりFFX原法は有効性が高いものの有害事象管理に難渋することが多いと考えられている。
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