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期待される最新研究

腹膜転移を有する膵癌に対するS-1+PTX経静脈・腹腔内併用療法の研究

里井壯平柳本泰明豊川秀吉山本智久山木壮良田大典廣岡智松井陽一高井惣一郎權雅憲

膵・胆道癌FRONTIER Vol.5 No.1, 44-47, 2015

腹膜転移に対するS-1+パクリタキセル(PTX)経静脈・腹腔内併用療法は,胃癌領域で良好な成績を収め,現在第Ⅲ相試験が進行している。われわれは,本治療法を膵癌腹膜転移患者に適用して,多施設共同第Ⅱ相試験を行っている。本稿では,本試験の科学的根拠,試験の実際,および当院での経験や展望について概説を行う。
「はじめに」膵癌患者の5年生存率は5%以下であり,今世紀に残された唯一の難治癌であり,致死率の高い癌腫である。その理由として,膵癌診断時にその70%が切除不能であり,その生存期間中央値は6~12ヵ月に過ぎないことがあげられる1)2)。切除不能膵癌の中でも腹膜転移(腹膜播種,腹腔洗浄細胞診や腹水細胞診陽性)を有する患者は,腹痛,腹部膨満,腹水貯留,腸閉塞など多彩な随伴症状により,生活の質が低下して化学療法の継続が困難となり3),生命予後が極めて不良である4)。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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