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Special Article 総説

慢性腰痛と脳の形態変化

福井聖新田一仁

Locomotive Pain Frontier Vol.4 No.2, 24-30, 2015

Voxel-based morphometry (VBM)による脳内組織の容積を直接測定する形態学的画像診断法を用いた研究で,慢性腰痛患者では,前頭前野,辺縁系の領域で灰白質体積が減少することが報告されている。症状の改善とともに灰白質体積が回復することが示されており,疼痛関連領域の生理的な状態への回復が治療のカギとなる可能性も示唆されている。本稿では,VBMをもとに明らかにされてきた慢性腰痛に伴う脳の形態変化に関するさまざまな成果, 新たな知見について概説する。
「はじめに」画像技術の進歩によって,3D-MRIを応用したvoxel-based morphometry(VBM)による脳内組織の容積を直接測定する形態学的画像診断法を用いた研究で,慢性腰痛,CRPS,線維筋痛症などの慢性疼痛患者では,健常者と比較し,不快情動処理に関与する扁桃体,前帯状回(anterior cingulate cortex;ACC),島,海馬,海馬傍回などの部位の灰白質体積の低下,疼痛抑制系に関与する前頭眼窩皮質(orbitofrontal cortex;OFC),前部帯状回膝周囲(perigenual ACC),側坐核(Nucleus accumbens;NAcc),背外側前頭前野(DLPFC),中脳水道周囲灰白質(PAG)などの領域で灰白質体積が低下することが報告されている1-4

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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