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特集 わが国発の心不全における利尿薬研究の最前線

ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬と交感神経活性

Mineralocorticoid receptor antagonists and cardiac sympathetic nerve activity

笠間周

Fluid Management Renaissance Vol.5 No.4, 44-48, 2015

「Summary」ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)を用いた大規模臨床試験(RALES試験やEPHESUS試験)の結果,慢性心不全や急性心筋梗塞患者において標準治療にMRAを併用することが生命予後の改善につながることが証明された。しかし,その機序は十分に解明されていない。そこでわれわれは,初発発症の非虚血性心不全患者を対象に,無作為にMRAであるスピロノラクトン投与群,非投与群に割り付け,6ヵ月観察した。6ヵ月後に,スピロノラクトン投与群においてのみ心臓交感神経活性を直接イメージング化できる123I-meta-iodobenzylguanidine(MIBG)シンチグラフィ集積の改善を認めた。したがって,RALES試験の予後改善効果に,MRAによる心臓交感神経活性を改善する作用が示唆された。次に,ST上昇型急性心筋梗塞患者を対象にACE阻害薬やβ遮断薬などの標準治療群とスピロノラクトン併用群の2群間で急性期の梗塞範囲をテクネシウムピロリン酸心筋シンチグラフィにて評価し,3週間後に123I-MIBGの集積を比較検討した。その結果,急性期の梗塞範囲は2群間で同程度だったが,スピロノラクトン併用群で3週間後の123I-MIBGの集積は標準治療群よりも有意に良好であった。したがって,急性心筋梗塞後の交感神経活性の改善効果は従来のACE阻害薬やβ遮断薬などの標準治療にMRAを併用することで認められる可能性があり,EPHESUS試験の予後改善効果に関与していることが示唆された。
「Keywords」ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬,心臓交感神経活性,123I-MIBGシンチグラフィ

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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