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誌上ディベート

急性心不全の利尿薬治療における一過性の腎機能悪化 是とする立場から

佐藤幸人

Fluid Management Renaissance Vol.5 No.3, 88-92, 2015

「はじめに」利尿薬は,心不全の治療において歴史的に初期の薬に位置する。40年以上前,心不全患者の治療は安静と減塩が中心であった時代にフロセミドが登場し,たちまち患者の利尿がついてうっ血状態が改善することから,心不全は利尿薬で治癒すると思われた時代もあったそうである。このためか,一部の循環器非専門医の間に“心不全の治療=利尿薬”という図式ができてしまった。しかしその後,慢性心不全においてはACE阻害薬,β遮断薬が心不全患者の生命予後を改善するという前向き試験結果が多く得られ,利尿薬単独で心不全の治療を行うことはなくなった。現在でも利尿薬は広く慢性心不全,急性心不全の治療に使用されている薬剤であり,利尿薬を用いずに心不全患者を管理することは不可能である。ACCF/AHAガイドラインの記載ではACE阻害薬,β遮断薬の投与は予後改善のためにclass Ⅰと推奨されているが,利尿薬はうっ血症状改善のためにclass Ⅰと推奨されている1)。

論点/増山理
・是とする立場から/佐藤幸人
非とする立場から/柴垣有吾

※本企画は,正誤の決着をつけることを目的としたものではなく,また執筆者本人の研究・臨床上の立場を示すものではありません。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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