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特集 心不全における体液管理

心不全治療に水分制限は必要か?

Fluid restriction in the management of heart failure

猪又孝元

Fluid Management Renaissance Vol.5 No.1, 41-46, 2015

「Summary」心不全患者指導の現場では,何の疑問も感じずに水分制限の指示が出されていることが多い。しかし,心不全管理における水分制限の有効性に関する臨床試験は3報告のみであり,そのいずれにおいても有用性は実証されなかった。これを踏まえ国内外のガイドラインには,高度な腎機能障害を合併しない軽~中等症の心不全では一律な水分制限は必要ない,と記載されている。ただし,水分制限を必要とする特定の患者像が存在することもまた事実である。その対象患者を見極める鍵は,重症心不全,利尿薬抵抗性を含む腎機能障害,低Na血症の3病態である。
「心不全における水貯留」心不全の徴候の主軸は,うっ血である。そして,うっ血を代表する病態が水貯留である。水貯留の状態は200年以上前からdropsyと表現され1),心不全における水貯留への対応の是非が論ぜられてきた。瀉血くらいしか有効な手だてがない時代が続いたが,ループ利尿薬の登場によりこの問題は一気に解決へと向かうかに思われた。しかし,そもそもなぜ水貯留が起きるか,その機序は長らく判然としなかった。
「Keywords」バソプレシン,ガイドライン,低Na血症,自由水

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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