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Selected Papers(腎臓領域)

チアゾリジン系誘導体は近位尿細管におけるNa・重炭酸の共輸送をPPARγ依存性非遺伝性情報伝達系を介して亢進させる

林松彦

Fluid Management Renaissance Vol.2 No.2, 75-76, 2012

「要約」 糖尿病に用いられるチアゾリジン系誘導体は, 核内受容体であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)γのアゴニストであり, さまざまな作用を有することが報告されている. 臨床の場でチアゾリジン系誘導体の使用によりしばしば体液貯留を生じることが知られており, 本論文はその機序の解明を行ったものである1). 出発点となった実験データは, 近位尿細管の微小灌流法を用いた結果である. 近位尿細管を微小灌流し傍基底膜側にピオグリタゾン(PGZ)またはrosiglitazone (RGZ)を加えたところ, 非常に速やかに細胞内pHの低下がみられた. この細胞内pHの低下は管腔側を灌流していない条件下では近位尿細管傍基底膜に存在する電位原性Na/HCO3-共輸送体(NBCe1)活性に依存することが知られており, PGZ, RGZの両者がNBCe1活性を亢進させることを示している. さらに, これらPGZ, RGZの作用はチロシンキナーゼ阻害薬, MEK阻害薬, 上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬で阻害され, PPARγ拮抗薬でも阻害されたが, プロテインキナーゼ(PK)C阻害薬, PKA阻害薬では阻害されなかった.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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