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New Arrival & Comment 新着論文解説

要訳と解説(2)2型糖尿病患者は経口リン摂取に対するFGF23の反応が障害される(動脈硬化の推定機序)

中原健裕倉林正彦

O.li.v.e.―骨代謝と生活習慣病の連関― Vol.3 No.3, 29-32, 2013

[概要] 背景: 線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor; FGF)23は, 骨細胞・骨芽細胞より分泌され, リン投与によるPTHの分泌を刺激し, その結果として血清リン濃度の調整を行っている. 一方, 2型糖尿病患者において骨細胞・骨芽細胞の機能不全が進行する. 本論文では, 2型糖尿病患者において, 経口リン摂取を行った際に血中FGF23およびPTH濃度が変化するか否かを検討した. 方法: 10名ずつの糖尿病・非糖尿病患者(stage 3~5のCKD患者を除く)を対象にし, 経口で1日当たり, リン酸ナトリウム2.0gを投与した後の血清中FGF23, intact PTH (iPTH), リン濃度を測定した. 結果: 糖尿病患者において, リン投与によりFGF23濃度2時間値およびiPTH濃度4時間値は著増した. リン投与2日後ではFGF23濃度およびiPTH濃度は非糖尿病患者で上昇したままであったが, 糖尿病患者では低下した. 両群を合わせると, FGF23濃度の変化(0~2時間後)とiPTH濃度の変化(0~4時間後)は正の相関関係を示し(r=0.528), 血中リン濃度の変化(2~4時間後)と負の相関関係を示した(r=-0.457). 糖尿病患者群において, リン投与後FGF23・iPTH濃度に変化のないまま, 血中リン濃度の変化(2~4時間後)は著明に上昇したが, 非糖尿病患者では変化を認めなかった. 結論: 2型糖尿病患者において, リン刺激に対する, 血中FGF23濃度およびPTH濃度の上昇反応は障害され, その結果, 血中リン濃度は著増した. この機序は2型糖尿病患者における動脈硬化進展の原因となるであろう.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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