「老化を進めてしまう酸化ストレス; その主犯は活性酸素」
唐橋:酸素は人間が生きていくうえで必要不可欠なものですが, この酸素のなかには, からだに悪影響を与えるものがあり, これが「活性酸素」と呼ばれる物質だそうです. 一方で, からだにはこの活性酸素を分解してからだへの悪影響を未然に防ぐシステムが備わっていますが, このシステムも加齢によって働きが弱くなり, 老化と深くかかわっているともいわれているようです. そこで今回は, この活性酸素と老化, さらには生活習慣病との関係について, 専門の先生方から教えていただこうと思います. まずは太田先生, 加齢や老化の概念について解説していただけますでしょうか.
太田:加齢は, 生を受けてから時間とともに進んでいく現象ですが, 成熟期以降に加齢とともに進行するのが老化です. このため, 厳密にいえば加齢を抑止する「抗加齢」は難しいかもしれませんが, 老化をある程度抑制しようとする「抗老化」は可能です.