「Question1 骨粗鬆症の分類・病態について教えて下さい. 」
「A」骨粗鬆症は, 原発性と続発性に分類され, 原発性骨粗鬆症は閉経後骨粗鬆症, 男性骨粗鬆症, 特発性骨粗鬆症に分類されます(表1)1). 従来, 原発性骨粗鬆症や関節リウマチに伴う骨粗鬆症は, 骨吸収, 骨形成ともに亢進する高代謝回転とされてきました. しかし, 男女ともに加齢によって, 骨形成シグナルであるWntシグナルを抑制するスクレロスチンが血清で増加し, 60歳以降では血清スクレロスチン値と骨密度低下, 骨構造劣化が相関することが示され2), 骨粗鬆症の成因として, 骨吸収亢進とともに骨形成低下が引き起こされているとされました(図1)1). 関節リウマチにおける骨粗鬆症に関しても, 炎症性サイトカインによって骨吸収亢進と骨形成低下が引き起こされることが明らかにされています. 従来, 骨吸収亢進と骨形成低下の病態を示すとされてきたステロイド性骨粗鬆症においても, 骨吸収亢進は早期に一過性に引き起こされるものの, 骨形成低下がその本態であると考えられるようになってきました(図2)3).