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High-Impact Articles

造血幹細胞移植にてHIV感染が治癒した2例目の報告

松下修三

HIV感染症とAIDSの治療 Vol.10 No.1, 92-95, 2019

世界で初めて「エイズが治癒した症例」として,“Berlin patient”が報告されて10年になる2)3)。たまたま急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia;AML)を合併したHIV-1感染症例に対し,CCR5Δ32/Δ32というR5指向性のHIVが増殖できない遺伝的背景をもったドナーからの同種造血幹細胞移植(allo-Hematopoietic stem cell transplantation;allo-HSCT)の成果であった。その後10年にわたりさまざまな臨床研究が試みられたが,本稿でとり上げる報告が2例目である1)。移植が行われた場所にちなんで“London patient”と紹介されている。1例目の移植前処置に比べて,合併症や副作用の少ない方法が用いられ,今後の応用可能性が示された。抗ウイルス療法を中断後,18ヵ月間ウイルスの増殖がみられない状態を保っており“HIV長期寛解状態”と呼ばれている。この方法が有効であることを検証できたとともに,より多くの症例に“HIV寛解”をもたらすきっかけになる。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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