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HIV診断と同日のART開始

菊地正

HIV感染症とAIDSの治療 Vol.9 No.1, 61-64, 2018

抗HIV療法(ART)は,早期開始により感染者自身の予後を改善することに加え,非感染パートナーへの感染伝搬予防効果が認められ,例外はあるもののCD4数に関わらず早期に抗HIV療法を始めるべきというのはコンセンサスとなりつつある。それをさらに突き進めて,診断されたその日にARTを始めてしまおうというコンセプトがある。
2017年10月にアップデートされた米国保健福祉省(DHHS)ガイドラインには,HIV診断と同日の即ART開始についての項目が新しく追加された。そこでは,HIVと診断されてからARTを開始するまでの間に受診を中断してしまう人が少なからずいることから,診断と同日にARTを開始することにより,ART開始率とウイルス抑制率を改善させるという試みが紹介されている。南アフリカ1)とハイチ2)での無作為化比較試験で,即日ART開始群では10~12ヵ月後のウイルス抑制率が有意に高かったことが引用されている。また,その後,別の南アフリカおよびレソトでの同様の研究が報告された3)4)。これらは高流行地,低所得国での研究であり,日本にそのまま当てはめることはできないが,米国サンフランシスコでの観察研究でも同様の結果が報告されている5)。今回のRelated Articlesではこれらの論文をレビューする。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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