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診断と治療のTopics

感染曝露前予防(PrEP)

PrEP(pre-exposure prophylaxis)

松下修三

HIV感染症とAIDSの治療 Vol.7 No.1, 17-23, 2016

「Summary」2015年9月にWHOから出されたHIV治療に関するガイドラインには,抗HIV薬を用いた曝露前予防(PrEP)の推奨が含まれていた。われわれはCD4数によらない治療開始が提唱されると推測していたが,PrEPの普及が推奨されるとは予想しなかったのである。抗ウイルス療法の世界的拡大によって死亡率の低下が見込まれる一方,新規HIV感染者数の抑制は不十分で,毎年数十万人のHIV感染例の増加が報告されている。WHOはHIV感染例の90%を治療するという目標を掲げてきたが,対象となるHIV感染者の増加が止まらなければ,必要となる費用や医療資源が不足することは明らかである。このような状況のなか,感染予防効果が証明されたPrEPの導入は世界的な課題となった。
「Key words」PrEP,PEP,HIV感染予防,ハイリスクMSM,TDF/FTC

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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