<< 一覧に戻る

座談会(Round Table Discussion)

AIDS初発例から30年を迎えて

満屋裕明松下修三岡慎一味澤篤

HIV感染症とAIDSの治療 Vol.6 No.1, 4-12, 2015

「「急速に死に至る奇病」とその拡大」
満屋:米国で世界初の後天性免疫不全症候群(AIDS)患者が報告され,世界的な注目を集めたのは1981年のことでした1)2)。日本では,これに遅れて1985年に最初のAIDS患者が認定され,HIV-1感染症とAIDSの歴史は2015年で30年の節目を迎えます。本座談会では,HIV-1感染症とAIDSの基礎・臨床の黎明期を経験された先生方をお招きしました。今後,新たに登場するかもしれない未知の感染症との戦いにおいて,当事者の方々はもちろん,われわれ医療者がこの30年間に経験してきた苦悩と希望から何を教訓化するか,またその教訓をどのように現在に活かすかを問うべきときが来たといえるでしょう。世界ではじめてAIDSの病原体が同定されたのは,1983年のことでした。パスツール研究所がAIDSの病原体を「lymphadenopathy-associated virus(LAV)」と名付け3),1984年には米国国立衛生研究所(NIH)のGallo博士らが「human T-lymphotropic virus(HTLV)-Ⅲ」と名付けて発表しました4)5)。1985年にはLAV-1とHTLV-Ⅲが同一のウイルスであることが判明して,両ウイルスはのちに「HIV-1」とその名称が統一されました6)。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る