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Case Report 症例報告

腰痛・下肢痛を主訴にドクターショッピングをかさねた患者

A woman with chronic severe back and leg pain

森利光

Practice of Pain Management Vol.2 No.1, 54-57, 2011

はじめに
 発症から1年後に当院を受診し,疼痛の寛解に2年を要した慢性腰痛症例を経験したので報告する.

症例

当院初診までの経過

 患者は中年女性で,明らかな誘因なく右殿部~鼠径部にかけての痛みが出現し,A産婦人科・B整形外科・C泌尿器科・D胃腸科・E精神科を受診し投薬を受けながらFクリニックに入院した.1カ月後G病院で神経根ブロックを施行し,その3カ月後H病院でカイロプラクティックを受けた.しかし,疼痛は増強し歩行困難となり,I整形外科病院でMRIを施行した.手術をすすめられたが手術治療に同意せず,J整形外科では椎間板症の診断を受けた.その2カ月後K大学病院を受診しブロック療法を受け,L病院へ入院となった.約2カ月間の入院後,退院をすすめられ13番目の医療機関として当院を受診した.発症から1年2カ月が経過していた.

初診時所見

 痛みの性状は,朝歩き出す際の右殿部から大腿外側,足底にかけての痛みであり,排便後は尾骨部に痛みが増強した.仰臥位になることは不能で夜間痛はなかった.
 既往歴は,37歳時と39歳時に胸郭出口症候群で,46歳時に子宮筋腫でそれぞれ手術を受けている.更年期障害でホルモン療法中である.
 家族構成は,定年退職した夫との2人暮らしで,娘2人は独立し家庭をもっている.
 初診時は激しい痛みを訴え,追いつめられた様相の患者に上記の問診をとるのがやっとであった.入院しても特別な治療がみつからないかもしれないこと,これまで行った同じ検査をするかもしれないが,もれている検査をさせてもらうことを約束し入院の手続きをとった.入院診療計画書には入院期間を未定とした.

入院後経過

1日目:サーモグラフィーとMRIを撮影した(図1).

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