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誌上ディベート

中頭蓋窩のくも膜囊胞(arachnoid cysts)は手術が必要か 総括

平田幸一

Headache Clinical & Science Vol.5 No.2, 24, 2014

「中頭蓋窩のくも膜囊胞は手術が必要か」という問いかけに対して,先生方のご意見は大変参考になるものであった.特に頭痛を主訴にしてきた患者にCTやMRIでくも膜囊胞があった場合,「これは全然関係ありません」と100%自信を持って答えられない自分にとっては,臨床面とエビデンスを簡潔にまとめていただいたこの内容は非常に有用であり,他の臨床医の先生方の参考になると思われる.先生方のご意見を簡単にまとめてしまえば,ほとんどの場合,手術を考える必要のないものの,外傷による囊胞内出血や硬膜下水腫・血腫などによる頭蓋内圧亢進など懸念材料はあり,有症状のときのみならず,予防的手術の意義もまったくないとはいえないこと,また,それらに対する説明責任があるということになるであろう.また,頭痛を主訴として来院した患者とは関係はないが,小児でこれが認められた場合,新生児期から乳幼児期に認められたくも膜囊胞の増大はまれでないこと,脳の発達や機能に障害を及ぼす可能性がまったくないとはいえないことを銘記するべきである.ただ,あくまで手術に伴う合併症についての詳細な説明責任があることはもっともなことである.

※本企画はテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であり,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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