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誌上ディベート

中頭蓋窩のくも膜囊胞(arachnoid cysts)は手術が必要か

平田幸一

Headache Clinical & Science Vol.5 No.2, 20, 2014

くも膜囊胞(arachnoid cysts)は,髄液に似た内容物を持つ先天性の頭蓋内の嚢胞状の構造をしたくも膜の発生異常から派生したものである.時に他の形成異常または疾患と併存していることがある.一般に無症状,無症候で,頭部の外傷がきっかけで検査をしたり,脳ドックなどで偶然見つかるものがほとんどである.時には胎児期の超音波スクリーニングによって発見されるものもある.成長に伴い,その大きさが拡大したり,また逆に小さくなるものもある.成人で発見された小さいものや無症状の場合には手術をすることはまずないが,小児期発見で大きなもの,他の形成異常または疾患と併存しているものはやはり成長期の脳に与える影響を考えると手術適応となる可能性がある.また,まれではあるが,頭痛をはじめとするなんらかの症状のある場合,それが本当にくも膜囊胞が原因であると,内科的治療には限界があり,外科的治療すなわち手術適応を考えてしまう.手術法としては開頭術を行って直接囊胞の被膜を切除する方法,開窓術,内視鏡手術,シャント術があるが,いずれも術後感染や硬膜下血腫,硬膜下水腫発生の危険があり,絶対安全とは言い切れない.今回はエキスパートの先生方に中頭蓋窩のくも膜嚢胞には手術が必要かという問いにつき,是か非かのお立場で論じていただく.

※本企画はテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であり,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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