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Meeting Report

米国臨床腫瘍学会 消化器癌シンポジウム(ASCO-GI 2019)

池田公史

The Liver Cancer Journal Vol.11 No.2, 48-51, 2019

2019年消化器癌シンポジウム(2019 Gastrointestinal Cancers Symposium:通称ASCO-GI)が,2019年1月17日~19日,米国サンフランシスコにて開催された。ASCO-GI 2019は,1日目:上部消化管,2日目:肝胆膵,3日目:下部消化管と消化器癌のみを対象として,3日間かけて行われる米国臨床腫瘍学会(ASCO)の一つである。学会のテーマとして,「Multidisciplinary Treatment, Personalized Care, Optimal Outcome(集学的治療,個別化治療,最適な結果)」を掲げて行われた。
2019年のASCO-GIには,全世界から3,625人の参加者数であり,毎年6月に行われるASCOの総会の約10分の1の規模の学会である。参加者が最も多い国は米国で1,904人であったが,日本は333人で第2位であり,日本人が多く参加している学会である。演題の採択率は記載されていなかったが,ほとんど採択されるという印象で,retrospectiveな検討でも採択される。したがって,若手の医師や薬剤師が投稿しやすい学会である。また,開催場所も米国の西海岸のサンフランシスコと日本からも行きやすく,観光名所も多く,若手に人気の学会である。当院から投稿した7演題すべてが採択されており,そのうち4演題は20代または30代前半の若手医師/薬剤師である。とはいえ,6月のASCOまで待てない,The New England Journal of Medicine,Journal of Clinical OncologyやLancetなどの有名な雑誌に掲載されるような重大な演題が報告されることもしばしばあり,消化器癌のMedical oncologistにとっては,6月のASCO,9月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)とともに,重要な3学会の一つになっている。
私もこの5年ぐらいは,ASCO,ESMO,ASCO-GIの3学会に毎年参加し,発表または勉強させていただいている。さすがに毎年,サンフランシスコに来ていると,ほぼ観光をすることはなくなったが,アルカトラズ島,フィッシャーマンズワーフ,ゴールデンゲートブリッジなど観光名所も多く,フェリーに乗ったり,サイクリングしたりと楽しむこともでき,ダンジネスクラブなどのカニをはじめとしたシーフードやクラムチャウダー(写真1),ビーフステーキを堪能することもでき,学会以外でも楽しむことができる街である。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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