座談会(Round Table Discussion)
分子機序に基づく肝癌の治療
The Liver Cancer Journal Vol.11 No.2, 13-20, 2019
肝癌は生物学的にheterogeneityがあり,従来のような病理学的な分化度や切除標本における肉眼形態による分類だけでなく,分子生物学的な分類も重要とされている。また,癌細胞の増殖や生存に関連する分子を標的とした治療薬の開発が進み,ソラフェニブ,レゴラフェニブ,レンバチニブはすでに臨床で用いられ,また,ラムシルマブが承認され,カボザンチニブ(cabozantinib)も開発中である。これらの薬剤の分子機序をベースに治療効果や予後を予測するバイオマーカーの検索も行われているが,現時点では必ずしも明らかとはいえない。一方,免疫チェックポイント阻害薬は分子生物学的な分類や免疫学的な分類と一致する可能性が示唆されている。
本座談会では,分子機序に基づいた肝癌の分類および薬剤の開発と臨床試験をご紹介いただき,薬剤の適応や使い方,さらに今後の展望について,4人の先生方にご討議いただいた。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。