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Special Articles

肝動脈化学塞栓療法(TACE)の適応の再考

②TACE不応の対応

小笠原定久横須賀收加藤直也

The Liver Cancer Journal Vol.9 No.1, 31-35, 2017

日常臨床において,肝動脈化学塞栓療法(TACE)の効果が期待できない症例をしばしば経験する。このような症例において,TACEから次治療への変更のタイミングを提唱した基準が「TACE不応の定義」であり,2010年に本邦から世界に先駆けて発信されたコンセプトである。以降,いくつかの後ろ向き試験により「TACE不応」の妥当性や,TACE不応後の治療選択肢としてソラフェニブと肝動注化学療法(HAIC)の比較が報告された。一方,ソラフェニブ投与症例の臨床経過に着目した解析において,脈管浸潤または肝外転移が出現する前のソラフェニブの移行が,全生存期間を延長する可能性が示唆された。近い将来,肝細胞癌に対して複数のマルチキナーゼ阻害剤が使用できる時代が到来する。2剤以上の薬物療法を使いこなすうえでも,TACEから薬物療法への上手な切り替えが重要であり,あらためて「TACE不応」の概念がクローズアップされると考えられる。
「KEY WORDS」肝動脈化学塞栓療法(TACE),TACE不応,ソラフェニブ,レゴラフェニブ,肝動注化学療法(HAIC)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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