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Topics of HCC

MRI meets molecular biology of HCC

山下太郎金子周一

The Liver Cancer Journal Vol.8 No.1, 29-33, 2016

「はじめに」肝細胞癌(HCC)は生物学的に多様な集団であり,その増殖速度,脈管浸潤能力,遠隔転移能力,抗癌剤や分子標的薬に対する感受性など,その臨床像は症例により大きく異なる1)。近年の大規模ゲノム解析技術の発展に伴い,HCCに生じているゲノムやエピゲノム変化を網羅的に解析することが可能となったが,これまでの解析から判明していることは,ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)プロモーター変異を除き,HCCで生じている遺伝子変異はきわめて多様であることである。この多様性は実臨床像の多様性に関わっている可能性があり,これらのHCCの分子基盤情報を実臨床におけるHCC分類に応用する試みが始まっている。2008年より本邦で導入されたGd-EOB-DTPA造影MRI(EOB-MRI)は早期では肝の血流変化を反映するが,その後肝細胞における薬物トランスポーターを介して胆道へと排泄されることから,肝細胞相イメージにより薬物の取り込み排泄機能を評価することが可能となった。このイメージングは肝細胞機能を評価できる点で肝発癌過程の解析できわめて多くの情報をもたらす。本稿においては,HCCのGd-EOB-DTPA造影剤の取り込み能力に関わる遺伝子発現プロフィールとその臨床応用への展望,これまで報告されている知見の概説を試みる。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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