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日本肝がん分子標的治療研究会

第11回優秀演題論文集 Session7 TACE不応肝内多発肝細胞癌に対して開始6ヵ月後にソラフェニブが奏効した1例

和田浩志江口英利友國晃富丸慶人浅岡忠史川本弘一丸橋繁梅下浩司土岐祐一郎森正樹永野浩昭

The Liver Cancer Journal Vol.7 No.2, 64-65, 2015

「はじめに」既存の治療が適応外となる進行肝細胞癌(HCC)に対してソラフェニブが標準治療とされるが,奏効率は1%程度である1)。ソラフェニブの治療効果を予測するさまざまなバイオマーカーの検討が行われているが,一定の見解は得られていない。今回,われわれは,ソラフェニブ内服開始後6ヵ月目に腫瘍マーカーの低下と肝内腫瘍の著明な縮小を認めた肝内多発HCCの1例を経験したので報告する。
「症例」症例は65歳男性。アルコール性肝障害にて近医通院中の2010年11月に腹部USにて,肝S8に3.7cm大の腫瘍を指摘された。HCC(T2N0M0 Stage Ⅱ)の診断にて,同年12月に肝動脈化学塞栓療法(TACE)を施行され,手術目的に当院紹介となった。当院初診時の腹部CT検査では,肝S8に3.7cm大の油性造影剤(リピオドール)集積を認め,明らかなviable lesionは認めなかったが,腫瘍遺残の可能性を考慮して2011年2月に腹腔鏡補助下肝S8部分切除術を施行した。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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