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病理組織への新たなアプローチ

Organoid

太田悠木佐藤俊朗

The Liver Cancer Journal Vol.7 No.2, 24-29, 2015

「Summary」近年の分子生物学的研究の進歩により発癌に関わるゲノム変化が次々と同定され,分子標的薬をはじめとする集学的治療の成績の改善につながった。しかしながら,消化器癌は依然として本邦における癌死亡率のトップを占めており,これまでの癌細胞の増殖を標的とした治療戦略とは異なる新規治療法の開発が求められている。革新的な治療法開発には,これまでの遺伝子解析研究から得られた大量のゲノム情報と癌細胞の動態をつなげる直接的な検証が有効である。近年,われわれは消化器幹細胞の新規培養法であるオルガノイド培養技術を確立し,従来まで不可能であったヒト正常および癌細胞の安定的な長期培養に成功した。当技術では消化器癌組織から癌細胞のみを選択的に増殖させ,遺伝子機能解析,治療薬の反応性などを体外で研究することを可能にする。本稿では,オルガノイド培養技術とその新規癌研究基盤としての応用性について概説する。
「Key words」オルガノイド,三次元培養,幹細胞,幹細胞ニッチ,消化器癌細胞培養

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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