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目で見る肝癌

EOB-MRIにて胆道出血・胆管腫瘍栓を術前に同定しえたicteric type HCCの1例

束野博子田嶋強枝元良広猪狩亨

The Liver Cancer Journal Vol.7 No.1, 9-15, 2015

「はじめに」肝細胞癌(hepatocellular carcinoma:HCC)はしばしば門脈,肝静脈に浸潤し腫瘍栓を形成する。一方,胆管に浸潤し,胆管腫瘍栓を形成することは少なく,その術前診断は困難と報告されている。今回われわれは臨床的には黄疸・貧血発作を来し,各種画像にて胆管腫瘍栓を術前に診断しえたまれなicteric type HCCの1例を経験した。本症例ではMRIおよびMRCPが胆道出血の診断に有用であった。本稿ではその臨床像と画像所見を中心に若干の文献的考察を加えて報告する。
「症例」
【現病歴】70歳代,男性。歩行困難を主訴に近医を受診し,冠動脈3枝病変を指摘された。冠動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting:CABG)目的に当院を紹介受診。スクリーニングCTにて肝腫瘤性病変を指摘された。
【既往歴】肺結核,高血圧,冠動脈3枝病変
【生活歴】飲酒social,喫煙10本×約50年
【検査成績】血算・生化学検査(入院時):AST 514IU/L,ALT 212IU/L,γ-GTP 230U/L,LDH 642U/L,T-bil 2.0mg/dL,ALP 883IU/L,ICG停滞率13.6%,Child-Pugh分類A(5点)。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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