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日本肝がん分子標的治療研究会

第8回優秀演題論文集 Session3 進行肝細胞癌に対するソラフェニブの初期投与量―安全性と有効性の検討―

小尾俊太郎佐藤新平河井敏宏杉本貴史八島陽子菅田美保

The Liver Cancer Journal Vol.5 No.4, 68-69, 2013

[はじめに] 本邦の肝細胞癌症例は, 欧米諸国の症例と比較すると大きな相違点がある. たとえば, (1)背景肝の約80%がC型慢性肝炎・肝硬変を伴い肝機能不良例が多い, (2)罹患患者の年齢層が高齢である, (3)肝細胞癌の罹患期間が長く, 多種多様の治療が複数回行われた症例が多いなどが挙げられる. これらの相違点があるため, 著しく臨床背景の異なる対象で行われたPhase III 1)の結果をそのまま当てはめることは無理があると思われる. 本邦で行われたPhase I 2)も, 67% (18/27例)がStage III以下の症例であり, 門脈腫瘍浸潤症例は, わずかに7% (2/27例)含まれるのみであるため, 少なくとも当院の実臨床とは隔たりがある. 一方, 国内Phase Iのtumor responseでは, 200mg bid群13例中, partial response (PR) 1例, stable disease (SD) 10例, progressive disease (PD) 1例, not accessed (NA) 1例であったのに対し, 400mg bid群14例中, PR 0例, SD 11例, PD 2例, NA 1例であり, 投与量間で有意差を認めなかったと報告されている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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