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日本肝がん分子標的治療研究会

第4回優秀演題論文集 Session8 当科における進行肝細胞癌に対するソラフェニブ療法の検討

北原征明山下竜也寺島健志砂子阪肇荒井邦明金子周一

The Liver Cancer Journal Vol.3 No.4, 80-81, 2011

はじめに
 わが国でも切除不能な肝細胞癌に対するソラフェニブが使用可能となり,約2年が経過した。今回,当科における進行肝細胞癌に対するソラフェニブ療法の現状について検討した。

対象と方法

 2010年12月までに当科でソラフェニブ療法を行った進行肝細胞癌38症例を対象とした。抗腫瘍効果は投与開始後4~6週ごとにdynamic CTまたはMRIによる画像検査を行い,RECIST v1.1を用いて判定した。副作用評価にはCTCAE v3.0を用いた。

結 果

 対象38例の年齢は68歳(48~85歳),男性34例(89%),ECOG PS0が35例(92%)であった。背景肝の成因は,HBs抗原陽性12例(32%),HCV抗体陽性16例(42%)であった。背景肝予備能は,Child-Pugh分類Aが31例(82%),Bが6例(16%),判定不能が1例であった。前治療は36例(95%)で施行されており,その内訳は,肝切除13例(34%),局所療法18例(47%),肝動脈塞栓術33例(87%),肝動注化学療法18例(47%),全身化学療法8例(21%)であった(重複例あり)。
 腫瘍因子に関しては,腫瘍最大径中央値は39mm,肝内病変が5個以上の多発が22例(58%)であった。脈管侵襲は12例(32%),高度脈管侵襲(Vp3,4)は8例(21%)に認め,病期はStage3が14例(37%),Stage4Aが5例(13%),Stage4Bが17例(45%)であった。
 ソラフェニブの開始量は全例800mgとした。投与期間中央値は1.6ヵ月(0~12.5ヵ月), 15例(39%)で減量および休薬を行った。治療効果が評価可能であった症例は34例,最良総合効果はSDが20例(53%),PDが14例(37%)であり,奏効例(CRおよびPR)は認めなかった。無増悪生存期間は中央値で2.6ヵ月
(図1),全生存期間中央値は9.5ヵ月(図2)であった。

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