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日本肝がん分子標的治療研究会

第4回優秀演題論文集 Session3 血管新生関連サイトカインによるソラフェニブ効果予測

宮原孝治能祖一裕友田健小林沙代萩原宏明桑木健志歳森淳一大西秀樹中村進一郎白羽英則山本和秀

The Liver Cancer Journal Vol.3 No.4, 70-71, 2011

はじめに
 ソラフェニブは進行肝細胞癌に対する標準的治療の1つとして広く用いられている。その主要な作用機序の1つとして,VEGF・PDGF受容体をターゲットとした血管新生阻害が挙げられるが,血管新生に関連するサイトカインは循環血液中からも検出され,腫瘍の治療抵抗性や予後と関連する可能性があると考えられる。

目 的

 血管新生関連サイトカインのソラフェニブの早期効果予測因子としての有用性を検討する。

対象と方法

 対象は,2009年7月~2010年10月の間に,岡山大学および関連施設で肝細胞癌に対してソラフェニブを開始された30例。治療開始前に測定した血清の血管新生関連サイトカイン9項目(angiopoietin-2(Ang-2),follistatin(FST),G-CSF,HGF,IL-8,leptin,PDGF-BB,PECAM-1/CD31,VEGF)と治療効果を比較した。治療効果は治療開始後1ヵ月ごとに行ったダイナミックCTまたはMRIをmodified RECIST1)にて判定した。

成 績

 治療後の初回画像検査における効果判定では,CR1例,PR6例,SD 8例,PD 15例であった.PD群とnon-PD群(CR,PR,SD)間に年齢,性別,原因,腫瘍の進行度などの疾患背景に有意な差はなかった。
 PD群とnon-PD群でのサイトカイン値を比較したところ,IL-8を除く8項目がPD群で有意に高値を示していた。各症例において,IL-8を除いた8項目のなかで高値(cut off=median)を示した項目数を集計し,初回の治療効果判定と比較したところ,病勢コントロール率は,0~2項目群75.0%(9/12),3~5項目群66.7%(4/6),6~8項目群16.7%(2/12)であり,高値を示す項目が少ないほうが早期の治療効果を期待できることが示唆された(表1)。

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