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肝癌診断および治療における最新の超音波技術

超音波ガイドによる肝細胞癌のIF強力集束超音波治療(HIFU)

佐野隆友森安史典

The Liver Cancer Journal Vol.3 No.4, 32-36, 2011

Summary
 肝細胞癌に対する治療は,古くからさまざまな方法が確立され,手術や化学療法,カテーテル塞栓術,ラジオ波焼灼療法,エタノール注入療法などが保険適応になる治療として行われてきた。それ以外でも重粒子線や陽子線といった保険適応外の治療も行われている。
 近年,当院では強力な超音波を1点に集めて癌細胞を死滅させる強力集束超音波(HIFU)療法を肝細胞癌,膵臓癌に対して行っている。HIFUは超音波を用いた治療で,体表面に傷を付けないため,麻酔も不要で体に優しい低侵襲な治療法である。

Key words
■HIFU ■肝細胞癌 ■低侵襲医療 ■超音波治療 ■造影超音波

はじめに

 近年,医療技術の進歩により,人の寿命は飛躍的に延長している。しかし日本人の死因で癌は最も多く約30%強,3人に1人が癌で亡くなる時代である。肝細胞癌は癌全体で4番目に多いが,その治療には外科的手術のほか,局所療法として肝動脈塞栓術,エタノール注入療法,ラジオ波焼灼療法,凍結療法,陽子線・重粒子線治療などの放射線療法,全身療法として抗癌剤を用いた化学療法などが行われてきた。局所療法のうち,肝動脈塞栓術,エタノール注入療法,ラジオ波焼灼療法,凍結療法はいずれも体に針を刺す治療であるし,放射線療法は被曝が,化学療法では抗癌剤による副作用が伴う。
 当院では2009年1月より強力集束超音波(high intensity focused ultrasound;HIFU)を用いた治療を行っている。HIFU治療は,非侵襲的で体に傷を付けることがなく,副作用もほとんど認められない。そのため肝機能の悪い症例や,出血傾向をもつ症例,病変の部位が穿刺困難な症例,病変が血管内に浸潤している症例など,今まで局所療法が困難であったものも治療の適応となる可能性がある。

Ⅰ 治療装置の概要と治療方法

 現在われわれが使用しているHIFU機器の「FEP-BY02 HIFU Tumor Therapy System」(以下,FEP-BY02 HIFU,China Medical Technologies社製)は上下2層のトランスデューサーを有し,直径37cmの球面体に1.1MHz,251個の超音波発信子が並び,それらが1点に集束した固定焦点となっている(図1,2)。

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