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日本肝がん分子標的治療研究会

第3回優秀演題論文集 Session3-B ソラフェニブ投与症例における有害事象と減量・休薬に関連する臨床背景因子の検討

高橋秀明奥山浩之清水怜大野泉光永修一仲地耕平近藤俊輔森実千種上野秀樹奥坂拓志池田公史

The Liver Cancer Journal Vol.3 No.2, 62-63, 2011

背 景
 ソラフェニブは1日800mgが標準的な投与量であるが,有害事象のために減量・休薬が必要となる症例を少なからず経験する。しかし,減量・休薬を必要とする症例の臨床背景因子は明らかにされていない。

方 法

 2009年6月~2010年7月に当院において臨床試験以外でソラフェニブ単剤による治療を施行した肝細胞癌症例を対象とした。全例1日800mgで治療を開始している。有害事象の頻度と重症度についてこれまでの報告と比較した。ソラフェニブの減量・休薬と関係する臨床背景因子について,単変量および多変量解析を用いて検討した。

結 果

 対象症例は60例。観察期間の中央値は136日。年齢[中央値(範囲)]は71.5(37~83)歳,男/女=54/6例,PS0/1,2=48/11例,HBs抗原陽性/HCV抗体陽性=9/38例,脈管侵襲有/無=24/36例,肝外転移有/無=30/30例,Child-Pugh分類 A/B=43/17例,血清AFP値[中央値(範囲)]は234(1.3~83,950)ng/mL,血清PIVKA-Ⅱ値[中央値(範囲)]は1,077(11~93,770)mAU/mLであった。SHARP試験やAsia-Pacific試験の対象症例と比べると,年齢中央値が高く(64.9歳,51.0歳 vs 71.5歳),Child-Pugh Bの症例が多い(5%,3% vs 28%)という特徴を認めた。
 主な有害事象(全グレード)は,手足皮膚反応73.3%,膵酵素上昇68.3%,AST上昇53.3%,T-Bil上昇48.3%,ALT上昇43.3%,皮疹43.3%,嗄声43.3%,高血圧41.7%,食欲不振41.7%であった(表1)。

また,当院のグレード3以上の有害事象のうち高率に出現したものはAST上昇25.0%,膵酵素上昇25.0%,高血圧16.7%であった(表1)。
 生存期間中央値[95%信頼区間]は331日[184~475日],無増悪期間中央値[95%信頼区間]は110日[78~141日]であった。治療成功期間(ソラフェニブ内服中止,増悪,死亡をイベントとした)の中央値[95%信頼区間]は59日[45~72日],800mg内服継続期間(ソラフェニブの減量・休薬をイベントとした)の中央値[95%信頼区間]は14日[11~17日]であった(図1)。

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