<< 一覧に戻る

Clinical Interface 病院紹介

富山県立中央病院

奧村廣和

Trends in Hematological Malignancies Vol.3 No.1, 28-31, 2011

はじめに
 富山県立中央病院は,富山市中心街の東のはずれに位置している。当院は,中央診療棟と10階建ての病棟からなり,血液内科の病棟は8階にある。富山市は,日本海の富山湾から続く起伏の少ない平坦な富山平野の中心にあり,西には神通川が流れ,南東部には3,000メートル級の北アルプスの山々が急峻にそびえ立っている。病院の周囲には,視界を遮る建物がないため,8階の病棟ラウンジから西を見れば活気あふれる富山市中心街の町並みが,東を見れば雄々しく美しい剣岳や立山などの北アルプスの山々が一望できる。病棟から見えるこの風景は,患者に闘病への勇気と生への希望を与えているのではないかと,いつも病棟へ向かう廊下を歩くときに思う。

 当院の血液内科は,1992年5月吉田喬部長が着任し,本格的に稼働するようになった。発足当初,血液内科の常勤医は2名だったが,現在では,吉田部長を含め常勤の血液内科医が3名と後期研修医2名の合計5名になった。またときどき初期研修医が回ってきてさらに大所帯になることもある。当院では血液内科の病床数は明確には決まっていないが,常時40~50名の患者が入院している。

研修体制

 当科では研修医教育に重点を置いている。当科では血液疾患全般の診断や治療を行っているが,なかでも急性白血病,悪性リンパ腫,多発性骨髄腫,慢性骨髄性白血病などに代表される造血器腫瘍では症例数や治療経験が豊富である。2008年度と2009年度の2年間の主な造血器腫瘍の新患症例は,急性白血病66例,非ホジキンリンパ腫147例,多発性骨髄腫51例であった。後期研修の2年間で,ほとんどの造血器疾患に対する診断・治療や各種の造血幹細胞移植療法を経験することが可能である。
 当院は,日本内科学会の教育病院であると同時に,日本血液学会研修施設,日本臨床腫瘍学会認定研修施設でもある。常勤医は全員日本血液学会の血液専門医・指導医である。当科での臨床経験は,そのままそれぞれの学会の認定医・専門医試験の受験資格に活かせる。研修医には,日本血液学会総会などの血液関連学会に出席することを奨励し,年間2回以上の学会発表,研修期間中1編以上の論文発表を行うように指導している。
 毎週木曜日の午後には患者病棟回診を全員で行い,受け持ち症例以外にも多くの症例を診ることができるようにしている。回診後には病棟看護師長や病棟薬剤師も参加した症例検討会を行っている(図1)。

症例検討会では,電子カルテをプロジェクターで投影し,全員でデータや画像,三測表などを見ながら細部に至るまで確認するようにしている。新患症例や再発例などの骨髄穿刺標本や病理標本を供覧するスライドカンファレンスも定期的に行っている。

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る