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嗅覚障害はパーキンソン病の進行とともに増悪するか?

「No」の立場から

Frontiers in Parkinson Disease Vol.10 No.3, 19-21, 2017

パーキンソン病(PD)の嗅覚障害は,1975年にAnsariとJohnsonによって記載され1),現在ではPD患者の73~90%に嗅覚障害を認めるとされている2)。また,Honolulu Asis Aging StudyではPDの運動前症状のなかで,日中の過度の睡眠と嗅覚障害の2つの症状があるとPDの発症率が上がるとの報告がある3)。MDS Facultyらによる検討で,prodromal PDを見出すために各症状や検査に対する尤度比が算出された。それによるとpolysomnographyで確かめられたREM睡眠行動障害が最も高く,次いでドパミントランスポーター(DAT)SPECT異常,3つ目が嗅覚障害となっている4)
以上の点からも,嗅覚障害がPDにおいてはリスク要因の1つになりうることは判明している。では,PDの進行とともに嗅覚障害が増悪するのかどうか。本稿では,嗅覚障害自体が加齢により退化していく症状の1つであること,嗅覚障害に関与する解剖学的部位である嗅球嗅索にはα-シヌクレイン(α-syn)以外の病理も出現しうることについて触れながら,上記点について論じていく。

本企画は問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。

「Yes」の立場から/谷口さやか ほ
・「No」の立場から/仙石錬平

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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抄録