誌上ディベート
パーキンソン病のcamptocormiaはdystoniaか?
掲載誌
Frontiers in Parkinson Disease
Vol.6 No.4 13-21,
2014
著者名
古澤嘉彦
/
村田美穂
/
砂田 芳秀
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
媒体
Frontiers in Parkinson Disease
「はじめに」 パーキンソン病(PD)では背中と肩をまるめた, いわゆる“stooped posture”を呈することがしばしばある. この姿勢はそれほど日常生活動作(activities of daily living: ADL)の障害にはならず, 抗パーキンソン病薬に対する反応性もあることが多い. 一方, PDではさまざまな姿勢異常を合併する1). 抗パーキンソン病薬によりそのほかの運動症状が良好に維持されているにもかかわらず, 姿勢異常によりQOLやADLが著しく障害されることが少なくない. 姿勢異常は一般的に抗パーキンソン病薬への反応性が乏しく, 治療に難渋することが多い. PDに合併する代表的な姿勢異常としてcamptocormia(CC), 体幹の側屈, 首下がりが挙げられる. いずれも容姿の問題だけではなく, 腰痛や歩行障害, 易転倒性の原因となりうる. 姿勢異常の病態はいまだ確立しておらず, またその治療法も十分に検証されていない1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。