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State of the ART(CANCER BOARD 乳癌)

Genetic tumor evolution

佐藤史顕佐治重衡戸井雅和

CANCER BOARD 乳癌 Vol.7 No.2, 23-30, 2014

【ポイント】
●次世代高速シーケンサーや,単細胞ゲノム解析のように,ゲノム解析技術の発達に伴ってきて,乳癌腫瘍内のゲノムの進化の過程が明らかになってきた。
●癌ゲノム進化の過程で,単塩基置換などの小規模ゲノム変異は徐々に蓄積され,ゲノム構造異常は断続的に蓄積される。考古学的進化の説になぞらえて,前者を漸進的進化,後者を断続的進化と呼ぶことができる。
●ほとんどの癌細胞に共通する複雑なゲノム構造異常やdriver mutationは,非浸潤性乳管癌(DCIS)の時期から存在している。また,転移巣のゲノムは進化の後期のパターンを示している。
●癌治療という圧力が癌ゲノムの進化に影響を与える。臨床的な獲得耐性は,治療前に僅かに存在していた治療耐性ゲノム変異をもつ細胞が,治療感受性癌細胞にとって代わる場合が多い。
●血中循環腫瘍DNA(ctDNA)は,他のバイオマーカーと比較して感度がよく,経時的に癌ゲノム進化をモニタリングすることができるマーカーとして注目されている。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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