On going clinical study
MERiDiAN試験(HER2陰性の局所再発性または転移性乳癌に対するベバシズマブ+パクリタキセルの効果を血漿VEGF-Aを利用して検討するランダム化比較第Ⅲ相試験)
CANCER BOARD 乳癌 Vol.6 No.2, 73-74, 2014
「概要」 VEGFを標的とする抗体製剤であるベバシズマブは, 乳癌治療において重要な薬剤のひとつであるが, 適切な治療対象群の選定は十分ではない. 海外において転移再発乳癌を対象に行われた第III相試験(ECOG2100, AVADO, RIBBON-1, RIBBON-2)では, 標準化学療法にベバシズマブを併用することで無増悪生存期間(PFS)の改善は認められたが, 全生存期間(OS)の延長は示されなかった. 一方で, AVADO試験では高感度ELISA法で測定した血漿VEGF-Aがベバシズマブの効果予測因子として有用である可能性が示された. これをもとに, ベバシズマブ+パクリタキセル治療の効果再検証と, ベバシズマブ治療の効果予測因子の同定を目的にMERiDiAN試験が計画され, 日本を含む世界17カ国が参加し進行中である. 同試験では血漿VEGF-Aレベルによる層別化が行われており, ベバシズマブ治療でより効果が得られる患者群が明らかになることが期待される.
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