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用語解説

mTOR

伊藤良則

CANCER BOARD 乳癌 Vol.6 No.1, 95, 2013

mammalian target of rapamycin(mTOR)はPI3K/AKTの下流に位置する重要な細胞内増殖シグナル分子である. mTOR阻害薬は抗腫瘍作用, 抗血管新生作用, 抗免疫作用, 抗真菌作用を有する. Rapamycinはイースター島における土壌の放線菌から発見された抗生物質である. ちなみにドキソルビシンはイタリアのアドリア海の放線菌streptomyces peucetius var.caesiusからの抗生物質, マイトマイシンCは東京渋谷の放線菌streptomyces caespitosusから, エリブリンは神奈川県油壷のクロイソカイメンから抽出された化学物質がそれぞれの母化合物である. いずれも優れた抗腫瘍薬は天然物を母体としていることは興味深い.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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