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日常診療に役立つトピックス

乳腺外科医が行うオンコプラスティックブレストサージェリー

福間英祐坂本尚美

CANCER BOARD 乳癌 Vol.6 No.1, 82-85, 2013

「はじめに」乳癌手術の領域において, 近年オンコプラスティックブレストサージェリー(Oncoplastic Breast Surgery:OPBS)という言葉が多く使われるようになってきた. 直訳すれば腫瘍形成乳腺外科であるが, オンコプラスティック(ブレスト)サージェリーという用語がわが国においても一般的である. 乳房温存術と乳房内外の組織を用いた欠損部充填法, 乳房全摘と再建術, 対側乳房を含めた乳房下垂手術など多くの手技が包含される概念であり, 癌の根治を確実にしつつ乳房の左右バランスをはかる形成外科手技を意識した乳腺外科手技と, その形成外科手技からなる. 1978年にドイツのAudretcshにより報告され提唱された手技であり, 彼は下垂の強い大乳房に対して乳房温存術を行い, 対側の乳房縮小術とあわせ縮小し円錐形に形成された両側乳房症例を報告した. OPBS症例では患者の望む乳房形状に形成されることに加えて, その症例では乳房縮小するため, 温存術においてより多くの腫瘍周囲の乳腺組織を切除することが可能となり, 腫瘍縁からの断端距離を大きくできる利点がある.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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