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化学療法 副作用情報室

抗癌薬の心毒性

南村真紀石黒洋

CANCER BOARD 乳癌 Vol.5 No.2, 54-57, 2012

1 心毒性リスク因子がなくても心毒性は起こる
 添付文書によると,ドキソルビシンやエピルビシンの総投与量は500mg/m2および900mg/m2以内となっています。ドキソルビシン総投与量が400mg/m2未満でも,5%程度の症例に左室駆出率(left venticular ejection fraction;LVEF)≧20%低下またはLVEF≦50%を認めたとの報告もあります。

抗癌治療との関連を否定できない心機能異常に関しレトロスペクティブに調査したところ,エピルビシン投与後にタキサンとトラスツズマブを施行した患者では,65歳以下,心血管疾患・高血圧・左胸部放射線治療歴がなく,エピルビシン総投与量が<900mg/m2という条件下でも5~10%程度で駆出率(ejection fraction;EF)<50%またはEFの低下により休薬や薬剤中止をした症例がありました。

参考文献
1)Swain SM, et al: Cancer 97: 2869-2879, 2003
2)Russell SD, et al: J Clin Oncol 28: 3416-3421, 2010
3)Carver JR, et al: J Clin Oncol 25: 3991-4008, 2007

2 心不全の予防に有効な手段はあるのか?

 心機能傷害を早期に診断し,心不全を予防する確立した方法はありません。αβ受容体遮断薬カルベジロールは,アントラサイクリン治療を受ける乳癌と悪性リンパ腫症例を対象としたプラセボ対照ランダム化試験において,EF低下を予防する効果が示唆されています(図1-A)。

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