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エキスパートの治療法―症例から考える―

ESDで非治癒切除となった早期食道胃接合部腺癌に対する治療方針

山口和也竹内裕也

胃がんperspective Vol.11 No.1, 36-40, 2020

症例:59歳,男性
既往歴:直腸癌,11年前に開腹低位前方切除術,pMPN0M0,術後再発なし。
現病歴:直腸癌術後の定期経過観察を目的に実施した上部消化管内視鏡検査で,食道胃接合部に粘膜発赤を認め,生検でGroup5(tub1- tub2)の診断。
食道胃接合部腺癌:術前診断 EGJ cancer, EG, 0-Ⅱb, 15mm, tub2, tub1, cT1aN0M0 StageⅠとしてESDを行ったが,病理診断:pType 0-Ⅱb, 31×18mm, adenocarcinoma, well-differentiated, pT1b(SM2 500μm), ly(-), v(-), pHM0, pVM0の診断で非治癒切除となり,追加切除目的に消化器外科へ紹介となった。ESD術後経過は良好で合併症なく退院。
症例:上部消化管内視鏡検査では,食道胃接合部0時方向に位置する淡い発赤調の病変(図1)。大きさ15mm大。口側はNBI観察で扁平上皮下に不正な血管像あり,扁平上皮下浸潤を疑う(図2)。深達度M疑い。周囲正常粘膜から陰性生検①−④(no evidence of malignancy),病変部より⑤(tub1)(図3)。この病変に対してESD施行(図4)。病理結果は上記記載の通り(図5)。
追加切除を目的に,口側にクリップマーキングを行った(図6)。マーキング後の上部消化管造影検査では,EGJからクリップまで38mmであった(図7)。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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