State of the art(胃がんperspective)
eCura system
―早期胃癌内視鏡的根治度C-2患者におけるリンパ節転移リスクスコアリングシステム―
胃がんperspective Vol.10 No.4, 25-32, 2019
早期胃癌内視鏡的根治度C-2患者では追加外科切除が標準治療だが,そのリンパ節転移率は5-10%とされている。そこで,同患者のリンパ節転移リスク層別化のため,eCura systemが開発された。eCura systemは,リンパ管侵襲を3点,腫瘍径>30mm・粘膜下層浸潤≧500μm(SM2)・静脈侵襲・垂直断端陽性をそれぞれ1点とした計7点のスコアリングシステムであり,0-1点を低リスク(リンパ節転移率2.5%),2-4点を中リスク(同6.7%),5-7点を高リスク(同22.7%)としている。eCura systemは胃癌死の予測に有用だが,SM未分化成分を有する患者ではeCura systemでリンパ節転移リスクが若干上昇することに注意する必要がある。また,胃癌患者が高齢化してきていることから,今後は高齢早期胃癌患者に対する患者側因子も含めた生命予後/QOL低下予測システムの開発が望まれる。
「KEY WORDS」早期胃癌,内視鏡的根治度C-2,eCura system,リンパ節転移,高齢者
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。