State of the art(胃がんperspective)
胃がん免疫チェックポイント阻害薬の感受性予測
胃がんperspective Vol.10 No.4, 18-24, 2019
近年,がん免疫療法の進歩が著しく,特に,抗programmed death 1(PD-1)/programmed death ligand 1(PD-L1)抗体や抗cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4(CTLA-4)抗体薬などの免疫チェックポイント阻害薬が複数のがん種において有効性を示している。胃がんにおいてもニボルマブがプラセボに対する全生存期間(OS)延長効果を示し(ATTRACTION-2 試験)1),本邦において2017年9月に承認された。一方,ATTRACTION-2 試験におけるニボルマブの奏効率は約10%程度であり,約半数の症例においては治療早期に病勢増悪を認める。さらに複数のがん種において,一部の症例で,免疫チェックポイント阻害薬投与後に急速な腫瘍増悪(hyperprogressive disease;HPD)を呈する可能性が示唆されている。従って,免疫チェックポイント阻害薬への感受性の検討やより高い治療効果が得られHPDを抑制する併用療法の開発が急務である。
「KEY WORDS」胃がん,免疫チェックポイント阻害薬,バイオマーカー
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。