<< 一覧に戻る

レジデントからのQ&A

H.pylori感染は肉眼で判断できるのですか?

福嶋真弥鎌田智有塩谷昭子

胃がんperspective Vol.10 No.2, 50-52, 2019

H.pylori感染の有無は,上部内視鏡検査時の肉眼所見により診断することはほぼ可能です。胃炎を診断する上で重要な内視鏡所見を分類した「胃炎の京都分類」ではH.pylori感染を未感染,現感染,除菌後を含む既感染の3つのフェーズに大きく分けて胃炎の内視鏡所見を診断することを基本としています1)2)
H.pylori未感染すなわち正常胃粘膜では粘膜上皮下に存在する集合細静脈が規則正しく配列する微小な発赤点であるRAC(regular arrangement of collecting venules)が胃体下部~胃角部小彎に観察できます3)。また,胃粘膜は全体に均一で滑らかであり,付随所見として胃底腺ポリープ,ヘマチン付着,稜線状発赤(数条の縦走する帯状発赤)が観察されることもあります。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る