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エキスパートの治療法―症例から考える―

胃癌に対する膵頭十二指腸切除術について

和田剛幸片井均

胃がんperspective Vol.9 No.3, 34-37, 2017

年齢・性別:68歳,女性
主訴:心窩部不快感
現病歴:高血圧にて近医受診中。以前より時々上記主訴を自覚し,他院を受診し上部消化管内視鏡検査を施行。胃角部小彎に3型腫瘍を認め,生検でGroup5,por2であり,手術目的にて当科紹介となった。
既往歴:48歳,視神経炎
67歳~高血圧症(内服加療中)
所見:上部消化管内視鏡(EGD):胃角部小彎を中心とし,体下部~前庭部小彎に広がる周堤を伴った不整な潰瘍病変あり。上部消化管造影(UGI):胃角の開大,壁の不整像を認めた。
胸部腹部骨盤部造影CT):胃体下部から前庭部にかけて造影効果を伴った壁肥厚を認め,No.3a(短径11.0mm),No.6(15.6mm,13.3mm),No.8a(14.9mm)のリンパ節の腫大を認めた。その他遠隔転移は認めなかった。
経過:L-Less,3型,por2,cT4a(SE),cN2,cM0,cStageⅢBと診断し手術へ。術中所見でNo.6リンパ節が膵頭部に浸潤していたが,他に非治癒因子がなかったため膵頭十二指腸切除術を施行した。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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