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State of the art(胃がんperspective)

H. pylori感染と胃癌:どこまで分かったか?

牛島俊和茂呂浩史前田将宏服部奈緒子

胃がんperspective Vol.9 No.2, 14-24, 2017

Helicobacter pyloriH. pylori)感染による胃発癌機構はどこまで分かったのか? H. pylori 感染者の胃粘膜にはDNAメチル化異常が蓄積しており,その程度は胃発癌リスクとよく相関する。H. pylori 感染がDNAメチル化異常誘発の原因である。しかし,H. pylori 自体よりも誘発された炎症が重要で,炎症関連遺伝子Il1bNos2Tnf の発現とDNAメチル化異常の誘発がよく関連する。ヒト胃粘膜に蓄積したDNAメチル化異常を測定することで胃癌リスクが診断できると考えられ,胃癌内視鏡治療後の異時性多発胃癌については多施設共同前向き臨床研究により有用性が最近証明されている。さらに,DNAメチル化異常の抑制による胃癌予防も可能であることが実験的に示されている。胃癌自体の解析では,各種パスウェイがDNAメチル化異常または突然変異により変化していることが確認される。点突然変異の誘発も重要であるが,DNAメチル化異常の誘発がより重要というところまで分かった。
「KEY WORDS」DNAメチル化とその異常,CpG アイランド,ドライバーとパッセンジャー

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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