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State of the art(胃がんperspective)

癌治療における腫瘍免疫の最前線

山口佳之堅田洋佑岡脇誠山村真弘澤木明

胃がんperspective Vol.8 No.4, 14-22, 2016

癌に対する免疫療法が大躍進を続けている。癌免疫療法の研究は,過去半世紀に活発化してきた。新しい重要な発見に伴って,大いなる期待のもといくつもの臨床試験が重ねられ,そしてその期待は幾度となく薄らぐ,この繰り返しの半世紀であった。しかしながら,分子免疫学における基礎研究者の努力によって複雑な免疫機構の分子機構が解明され,その基盤的な理解に基づく治療がいよいよ実現した。同時に臨床研究者の間で臨床試験のあり方に対する議論が進み,免疫療法特有の評価方法に対する理解とスキルが成熟した。これらふたつの基礎・臨床の成長によって,2010年以降いくつかの免疫療法が目を見張る成功を収めるに至った。もはや癌免疫療法はある種の癌において標準治療として市民権を得るに至っている。本項においては,癌免疫療法の歴史的経緯をまとめるとともに,その最前線として大躍進の旗頭となっている細胞治療の進化と,免疫チェックポイント阻害剤の情報を提供したい。胃癌診療にかかわるみなさんにおいても,今後,腫瘍免疫に無関心でいられない時代を迎えている。
「Key words」Cancer Immunotherapy,Chimeric antigen receptor -modified T (CAR-T),Tumor-infiltrating Lymphocyte,Neo-antigen,Immuno-checkpoint Inhibitor

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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