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胃癌診療の歴史

第20回 Konjetznyによる胃癌の病因論

岡島邦雄

胃がんperspective Vol.8 No.2, 60-67, 2015

「はじめに」前回は1930年頃の欧米およびわが国の胃癌外科治療の状況を概説した。今回は同じく1930年代のドイツの外科医G.E.Konjetznyの研究に焦点を当てたい。その理由は,Konjetznyは発生早期段階の胃癌の肉眼分類について,現行の『胃癌取扱い規約』1)の早期胃癌分類にもつながるような分類を提示し,さらに胃炎と胃癌の関連を追求(後述)した外科医であり,この意味から本連載にはこの人物を無視して1930年代を通り過ぎることはできないと考えたからである。
「Konjetznyによる初期における胃癌の肉眼分類」筆者はKonjetznyの著書『Der Magenkrebs(胃癌)』(1938年)2)に「Makroskopisches Verhalten des Magenkrebs in seinen ersten Anfãngen」(発生早期段階の胃癌の肉眼的状態)という項があり,それは前述のごとくわが国の『胃癌取扱い規約』1)の「早期胃癌肉眼分類」に類似した分類であることを知った(後述)。これはKonjetzny自らの研究から案出されたものであり,筆者はこの研究態度に惹かれたのである。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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