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早期大腸癌の内視鏡治療・外科手術の最前線

EMR(分割EMR)の実際とピットフォール

Endoscopic mucosal resection technique for colorectal lesions, and it’s pitfall

工藤進英三澤将史森悠一小形典之若村邦彦林武雅和田祥城工藤豊樹宮地英行池原伸直大塚和朗

大腸癌FRONTIER Vol.4 No.3, 49-53, 2011

Summary
 食道,胃でESDが保険適応となりESDが急速に普及している。大腸においてもESDを施行する施設が増えているが,実際に治療適応となる大腸病変のほとんどがEMR・EPMRで治療可能である。EMR・EPMRは内視鏡診断,局注技術,スネアリング技術のいずれが欠けても成立せず,これらの習得が安全で適切な治療に不可欠である。

Key words
●EMR ●EPMR ●大腸腫瘍 ●拡大内視鏡

はじめに

 内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection;EMR)・分割EMR(endoscopic piecemeal mucosal resection;EPMR)を施行するには,まず対象病変が内視鏡治療の適応であるかどうかの質的・量的診断(深逹度診断)を確実に行うことが前提となる。拡大内視鏡を用いたpit pattern診断を行うことにより,適切な診断に基づいた治療方針が決定されると考える。本稿では以上の点を踏まえ,大腸EMR・EPMRの基本テクニックとピットフォールについて記述する。

拡大内視鏡診断:pit pattern診断

 腺管開口部の形態,いわゆるpitを拡大内視鏡にて観察して,腫瘍・非腫瘍さらには癌の深逹度などを診断していくのがpit pattern診断である。当センターでは,まず通常内視鏡観察を十分に行い,病変の拾い上げをして,次に0.2%インジゴカルミンや0.05%クリスタルバイオレットを用いて拡大観察を行う。pit patternはⅠ,Ⅱ,ⅢS ,ⅢL,Ⅳ,Ⅴ型に分類される。I型およびⅡ型は非腫瘍性のpit patternであり,Ⅲ~Ⅴ型は腫瘍性のpit patternである。ⅢL型は組織学的には管状腺腫に対応し,ⅢS 型は分枝の少ない,ストレートな管状腺管に相当し,陥凹型腫瘍に特徴的なpit patternである。Ⅳ型pit patternは,樹枝状分岐または脳回転様,サンゴ様に観察され,組織学的には管状絨毛状腺管に相当する大きなポリープに多い。Ⅴ型pit patternについては,腺口形態の不整,配列の乱れ,規則性のない大小不同が認められるⅤ I (irregular)型とpitが消失し無構造になった領域が存在するV N (non-structure)型に亜分類している。Ⅴ I 型は,MないしSM微小浸潤癌に対応し,V N 型はSM深部浸潤癌に対応する1-4)。

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